SD Review 2003入選の松野勉さんのページで

世の中を勝者と敗者に分けたならば、100人の人間がいたら99人は敗者である。ひとりの勝者になることに憧れる99人がいる。
これまで、ひとりの勝者になるための方法や筋道は幾多にも語られてきたが、その勝負の結果、敗者となった者たちのとるべき方策に関してはどうだろう。
99人の敗者が、終りなき日常をどのような価値観をよりどころに、どのような尊厳を持って生き続ければよいのか?。敗者が否応なく携えてしまっている弱さ、それこそを武器に転換する知恵、考え方がいま、求められているのではないか。
別の言い方をするならば、より多くの人々が尊厳を持って、低空飛行するための翼の持ち方、低空飛行のための飛び方が、求められている。


実は低空飛行の方が成層圏を飛ぶことよりも技術が必要なのだ。

と書いてあったけれど、なかなか重いなあと感じた。
勝ち組負け組と言う風に煽るメディアを日常の至る所で見つけるけれど
ライブドア楽天の社長にしろ、最近のメディアの過剰な取り上げ方の裏にあるのは
成功者の失敗を見たいと言う願望に過ぎないのではないかと、日頃思ったりする。
こういう構造から抜け出すために必要なのが、松野さんの言うところの
「低空飛行するための翼」である。でなければ近い将来の日本をまっているのは
ろくな将来では無いだろう。全員が全員天才である必要もない。
オンリーワンだと言う歌がヒットするわりに節操のないこのご時世である。
ほんとうの「価値」がなにかもわからない、そういう情報の渦の中で必要なことを
考えなければならない。そういう価値というものも均質なフラット以上に
不均質なムラが均質に混在するような社会というものを目指すべきなんだろう。


松野さんのライフアンドシェルター社webサイト http://www.lifeandshelter.org/