最近の本

東浩紀大澤真幸自由を考える 9・11以降の現代思想
現代の権力が、健康とか安全というベクトルを向いてしまったときに、僕らは語る言葉を詰まらせてしまう。安全のため小学校に防犯カメラを設置して門を閉めきる。歴史的建造物を耐震という名の下に平然と(ここが重要)壊してしまえる。こんなとき、僕らに出来ること。なんだろう。これが大切な答えを導けそうな気がしてる。


バリー・グラスナー《アメリカは恐怖に踊る》
少年犯罪や、飛行機事故などの報道を根本的には同じ分析を用いて批判している。「最近増えている少年犯罪」という言葉の信憑性の無さ。日本でも同様のことが言えるだろう。マイケル・ムーアの《ボーリングフォーコロンバイン》も見たけどあれもすごくよくできてる。軽妙なタッチでウィットを混ぜながら、それでいて真剣な姿勢には共感を覚える。


エドワード・サイード《戦争とプロパガンダ
歴史の無知を実感した。つまり何も自分たちは知らないのだ。僕たちは何も知らないということを認めるところからスタートしなければならない。と同時に中東の歴史をなにも報道しようとしないマスコミ。結局僕らのこの自己中心的な思い上がりが9・11を引き起こしたのだ。と思ったら去年無くなられてたんですね・・・。


アンガス・K・ギレスピ《世界貿易センタービル
多数の建築史家が指摘するように、ワールドトレードセンタービルは事件をして初めて歴史に存在を示したのである。専門家たちはこのビルにほとんど注意を払ってこなかった。こんなにもシンプルに資本主義を体現した建築も少ないのだろうに。